飯守泰次郎先生逝去

飯守泰次郎先生が他界されました。

今を遡ることちょうど30年前の1993年6月、
当時私が在籍していたドルトムント市立フィルハーモニーオーケストラ(ドイツ連邦共和国)は、
広島原爆被爆者のためのチャリティーコンサート「Hiroshima’93」
(指揮:モーシェ・アツモン、ソプラノ:番場ちひろ、ヴァイオリン:堀米ゆず子)を彼の地で開催し、
同名の実況録音版CDを制作。

その後、
私は13年にわたるドイツ生活に別れを告げ帰国し、
1996年6月18日広島、19日東京にて、
当時日本にあった22プロオーケストラからのピックアップメンバーを中心に、
ドルトムント市立フィルからの8名を加えたオーケストラ「ザ・ハーモニー」を編成し、
「Hiroshima’93」のアンサーコンサート「We love the EARTH from HIROSHIMA」
(指揮:故飯守泰次郎、ソプラノ:番場ちひろ、ヴァイオリン:堀米ゆず子)を開催し、
3都市でのコンサート入場収入、及び、CD販売収益合計500万円を広島市に寄付しました。

 

 

 

 

 

実は帰国の際、
私には九州交響楽団事務局長のポストが見え隠れしていたのですが・・・。

それはさておき、
その「We love the EARTH from HIROSHIMA」を指揮してくださったのが飯守泰次郎先生!

そして、
私の能力を買ってくださり、
当時先生が音楽監督だった名古屋フィル事務局に来ないかとスカウトしてくださったのですが、
すでに「マイ・ハート弦楽四重奏団」を結成し、
ヴィオラ奏者として生きていく決心をしていた私は丁重に断らせて頂きました。

あの時、
別の道を選択していたならば、
どんな人生になっていたのでしょうか。

練習の第一音の後、
「沖田君、凄いよ!」とおっしゃった先生の言葉が、
そして、
その笑顔が忘れられません。